6月から、改定後の令和8年度の年金額が支給されます。老後の生活を送るうえで欠かせない収入源である年金を、自分はどのくらい受け取れるのか知っておきたいところでしょう。 本記事では、標準的な年金額を受け取る人の現役時代の想定年収を試算するとともに、実際にその金額を受け取る人が多いのか解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
令和8年4月改定の年金額は「6月支給分から」
厚生労働省が令和8年1月23日に発表した「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、総務省から公表された「令和7年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品を含む総合指数)を踏まえ、令和8年度の年金額が改定されました。 令和7年度と比較すると、国民年金(基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%引き上げられています。これにより、令和8年度の1人分の老齢基礎年金(満額)は、前年度比で1300円増額され、7万608円となりました。 また、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金の金額(モデル年金)は、前年度比で4495円増額の23万7279円となっています。 なお、4月・5月分の年金は6月15日に支給されるので、実際に令和8年4月改定の年金額になるのは6月支給分からとなります。
夫婦で標準的な年金「約23万7000円」を受け取るには現役時代の年収はいくら必要?
標準的な厚生年金の金額(モデル年金)は、片働き世帯を基準として算出されています。 厚生労働省の試算における「23万7279円」という金額は、夫の現役時代の平均的な収入(賞与を含めて月額45万5000円、年収換算で約546万円)で40年間就業し、妻が40年間専業主婦(国民年金を満額受給)だった場合を想定したものです。 厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2023年の全世帯の平均所得金額は536万円となっています。 つまり、世帯全体の平均所得に近い水準の稼ぎを、「夫1人の現役時代の平均年収」として40年間維持し続ける必要があり、片働き世帯にとっては決して低いハードルではないといえるでしょう。
標準的な年金額を受け取れる世帯は多い?
実際に、この標準的な年金額を受け取れる夫婦はどのくらいいるのでしょうか。夫婦合算での正確な受給割合を示す公的統計はありませんが、平均データからその割合の傾向を推測します。 厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、個人単位で「23~24万円」以上の受給権者数は94万54914人です。受給権者総数1608万5696人に対し、約5.8%です。 また、夫が厚生年金・妻が国民年金を受給すると仮定した場合、同資料の男女別年金月額を見ると厚生年金平均受給額は16万9967円(男)、国民年金平均受給額は5万7582円(女)でこれを合わせると22万7549円となり、令和8年度の標準的な年金額(モデル年金)の23万7279円はもちろん、令和6年度の標準的な年金額(モデル年金)の23万483 円を下回ります。 これらの数値を見ると、標準的な年金額相当を受け取れる世帯の割合は、多くはないのかもしれません。
まとめ
「標準的な年金額」の計算で用いられている収入は、確かに全世帯の平均的所得に近いようです。 ただし、標準的な年金額の受給権者数は多いとはいえず、「将来の年金額」については個人差が大きいでしょう。モデル年金額はあくまで参考にとどめ、「ねんきん定期便」や年金事務所への照会で確認しましょう。 出典 厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします 厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 厚生労働省 令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
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